玄界灘ヒラマサキャスティング用タックル
※2008年末に書いた古い記事です。また筆者は素人ですのでご注意ください。
サンライズから始まった(?)ヒラマサキャスティング。
トップウォーターで20キロクラスのヒラマサがルアーに食らいつくシーンはまさに圧巻。
3キロクラスでも、心臓バクバクモノのスリルがある。
それもジギングよりも釣れる魚のサイズが大きい。
さらに遠く七里まで行く必要は無く、港から片道だいたい1時間程度。
これで流行らないワケがない。
釣具店でも最近はジグではなく、フローティングペンシルが売れているらしい。
それも、巨大なザラやオシアペンシル、ソルティガスライダーなど。
おそらくメーカーもビックリしているんじゃないかと。
で、先日下のようなコメントをいただいた。
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はじめて書きこします。
通りすがりで申し訳ないのですが質問させてください。
1月に
クルーズのキャスティングに誘われたのですがオススメのロッドを教えてもらえないでしょうか。
ショップではソルティガDOGFIGHT 76
ホッツ タイドレジュ. 78MHを薦められました。
Posted by 通りすがり at 2008年12月23日 23:34
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たしかにやったことが無い人には、何を用意して良いか分からないと思う。
まぁ、とりあえずは船のレンタルタックルを利用するのが一番オススメ。
一日中振ってみないと、体力とタックルとのバランスってのは分からないモノだ。
とりあえず、素人レベルで考えてみた。
現在、玄界灘のヒラマサキャスティングに使われているロッドはおそらく2種類に分けられると思う。
ライトタックルとヘビータックルだ。
そもそも、玄界灘ヒラマサキャスティング専用のロッドというのはほとんど無く(MC works'にツナ用から派生した
SM794CRというモデルがありますが)、通常の青物・シイラタックルの流用(ライトタックル)もしくはツナ・GTタックルの流用(ヘビータックル)となってしまう。
七里ヶ曽根のツナキャスティングでタックルを買い揃え、マグロが獲りづらくなって使うに使えない状態となってしまった私たちには、それらがそのまま使えるので実は幸運な展開と思える。
サンライズ田代船長のところにカーペンターの小西さんが度々訪れていて、最近
BC73MLRがリアグリップを延長してBC75MLRに変更になった。
これは後述するがファイト時にグリップエンドを下腹に当ててファイトしやすくするための変更で、上述のMC works'のロッドと合わせて玄界灘ヒラマサキャスティング用ロッドのひとつのベンチマークとなるモデルになると思われる。
2009.10.15訂正
出来るだけ脇挟みでファイトしてください。
シイラロッドでは脇挟みでもグリップが短すぎます。
話を戻すが、青物・シイラタックルの流用であるライトタックルはキャストウエイト60gまでのモデルが普通だ。
KRUISEの赤間船長は、まずはこのあたりから始めることをオススメしている。
利点は軽く取り回しが楽なことや、一日中振っていても疲れないことだろう。
欠点は大型の魚が来たときにはなすすべがない状態になってしまう可能性があることと、扱うルアーが比較的小型なモノに限られてしまうためにアピールが若干弱くなること、リアグリップが短いモデルが多いので、
グリップエンドを下腹に当てて魚をリフトするような(ロッドパワーを活用するような)ファイトがしづらいことなどが挙げられるだろう。
2009.10.15訂正
脇挟みもできないので、肩・肘にかかる負担が大きくなります。
楽にファイトするためには、リアグリップの長さがそれなりに必要です。
ラインはPE2~3号、リーダー60lb前後。あまり太いラインを選ぶと、風が強いときは釣りにならなくなるので注意が必要だ。
ライトタックルだと、3キロのヒラマサ相手でもこんな感じ。楽しいのは間違いない。
ヘビータックルは150gくらいまで投げられるものを使っている人が多いようだ。となるとやはり、GT・ツナタックルとなってしまう。GTのポッパー用のロッドはティップまで硬く、この釣りには向いていないと思われる。柔軟なティップとパワーのあるバットを兼ね備えたロッドが理想形だろう。
Y'sの吉武船長はヘビータックル推奨派。バラすと群が散ってしまうのが第一の理由。根に入られてのラインブレイクが多いのも理由のひとつだろう。
このタックルだと、BC-γ60~90、オシアペンシル185F、ドラドスライダー18F、ザラなどの80g前後のルアーが扱いやすい。どれも18cmくらいはあるので、アピールも十分だ。
ただし、これを一日中振り続けるのは慣れが必要。初めての人は疲れて休憩しがちになってしまうだろうし、翌日(年齢によっては翌々日)の筋肉痛に悩まされることになるだろう。
ラインはPE4~6号、リーダー100lb以上となる。20キロの大物を獲ろうと思えば、こういう組み合わせも当然だと思われる。
ヘビータックルでのファイトシーン。魚が横に走っているので参考までに。
上の画像と同じサイズ(約3キロ)の魚とは思えませんよね。
こちらは10キロ弱が掛かった時のシーン。
硬い分だけアングラーへの負担は大きくなる。
船上の取り回しを考えれば、ロッドは短い方がいい。が、飛距離を考えればある程度の長さが必要。短すぎるとキャスト時の垂らしが船内になるので、何かに引っ掛けてトラブる可能性もある。理想的には7フィート台だが、慣れた人なら8フィート台後半までは可能だろう。
ちなみに船はGTフィッシングのように基本的にどてら流しになり、アングラーは常に風下に向かって投げることになる。船長はポイントの潮上に船を移動し、風と潮に任せて徐々にポイントに近づくように船を動かしている。つまりは、アングラーは常に一定の方向(風下)に一定のキャストを繰り返し、船が移動してポイントが射程圏内に入ったところで魚がヒットし始めることになる。追い風に乗せてキャストするので、初心者でも飛距離が出るし、トラブルも少ない。ルアーのアクションも、風下に投げた方が風波に当たる形になるので付けやすい。しかし風と潮とが反対方向の時は難しい。逆風で飛距離を出す方法も心得ておきたい(2009.10.15加筆)。ちなみに、別の方向に投げるのは基本的にはルール違反。ナブラなどで別の方向に投げたいときは、周囲の人に断りをいれてからするべきだが、やはりトラブルを避けるためにもやめた方がいい。船長はGPSで位置を確認しながらラインを少しずつ変えながら流しているので、別方向に投げてもそこまで良いことはないはずだ。かえってライントラブルを起こしたり、ルアーが跳ねてしまったりして釣りにならなくなる可能性が高くなる。ただしミヨシと大トモの人は他の人が投げやすいように若干外側に(扇状に広がるように)投げて欲しい。
魚は下に突っ込むので、グリップエンドを下腹に当ててバットパワーを活かした釣りが出来るロッドをオススメする。シイラロッドの流用は可能だが、使ってみるとそのあたりで不満が出てくるはずだ。
2009.10.15訂正
下に突っ込ませないようなファイトが望まれる。
もはやどうしようもなくなった時にだけ、上のようなファイトをしてください。
竿先が硬いとルアーが跳ねてアクションが付かないので、竿先は柔らかい方がいい。硬いと当たったときも弾きやすくなる。ただし小型でも根に潜ろうとするパワーはかなりのものなので、それなりのバットパワーが必要だし、それを十分に活かせる釣り方を覚える必要がある。そういう意味ではライトタックルでの釣りは勉強になる。
流行のPEライン用ガイドセッティングはたしかにトラブルが少ないが、無くてもいい。あまりにもガイドに絡んだり糸ダマを作るときは、ラインの放出抵抗をあげる意味でメインラインを10mほど切って短くしてみることをオススメする。やりこんでいる人ほど、スプールの糸巻き量は少なかったりする。もったいないなどと思わない方が良い。
リールはダイワなら4000番以上(4000番台ならハイギア)、シマノなら6000番以上(小さいものはハイギア推奨)。
ロッドとのバランス、体力とのバランスを良く考えて選んだ方がいい。大きな魚には大きいリールと思うかもしれないが、大きければ良いというものではない。GTで有名な福井船長はステラSW8000を使用していた。(あの人は特別だと思うのは当たり前だが、)それで大型のGTを獲れているのだから、リールが小さいからダメというのは間違いだと思う。最近のリールはとてもよく出来ている。むしろ糸巻き量はそこまで要らないので、ドラグ性能や重量、巻き上げ長などを重視して欲しい。投げ続けられないタックルでは持っていても意味がない。
以上、思いつくままに書いてみた。
>通りすがりさんへ
実際のモデルについては使ったことがないので言及は避けますが、店員さんのオススメしたモデルはヘビータックルで、チョイスとしては間違いないモノだと思いますよ。
男は黙って GTタックル!
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そんな宣教師さんな方は押してね。
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